国会質問に対するヒアリング(1/25 1100~衆議院第二議員会館にて)

         出席者 
    質問側 社民党 保坂議員、大久保議員秘書
           新美、鈴木、大川 各弁護士、山崎、大内各労組委員長

          政府側  総務省総合通信基盤局 電気通信事業部 事業政策課

                  緒方課長補佐、栗原専門職

                  厚生労働省 政策統括官付労政担当参事官室 安田法規係長

 

議題 1/18付け政府答弁書に対する質問、意見交換

 

(1)今回のNTT組織再編計画は、実質は、労働承継法の適用対象である会社分割そのものでないのか。

NTT法では会社分割実施に当たっては総務大臣の認可が必要であるとされた。商法の会社分割では、債務履行の見込みのない不採算部分の切捨ては許されていない。新設子会社へ業務委託するのに合わせて「退職・再雇用」という形式で労働者を移行するというNTT計画は、労働契約承継法を脱法するものではないのか。

会社分割を理由とする一方的な労働条件の不利益変更や、解雇を禁止する国会付帯決議、指針及び法律案審議の際の政府答弁に反するものではないのか。

NTTの今回の労働保護法制を回避する手法は、株式の半数を政府が保持し事実上政府の管理する巨大企業であるNTTの位置から見ても今後の企業再編のモデルケースになり、このような手法が政府によって追認されることは今後の労働保護のあり方について与える影響は多大であり法的にも問題である。

 

総務)総務省としては、今回の再編には関与していない。

分割かどうかの判断は総務省の所管ではなく、NTTより聴いた限りで答弁した。

今回のNTT再編は、業務委託で、営業権(NTTと利用者の契約形態)は変化しないので「分割法」で言われる会社分割とは認識していない。

労厚)「労働契約承継法」は、法文上会社分割の場合と書いてあるので、分割でない限り承継法の適用はないと考える。

法案成立時の国会論議について詳細を、自分は承知していないが、一般的な意味で一方的な労働条件の不利益変更が出来ないことは確立されたものと考えている。

 

(2)企業組織の変更に伴う解雇、不利益変更は許されず、分割の際の不採算部門の分割は許されないのは明らかである。

今回の新設される子会社の実態は、資本金(1000万)資産(ゼロ)収入(受委託費のみ)で経営展望がなく、特に地方での将来性はなく、倒産、解雇の危険性が大きいが、総務省として実態を把握しているのか。

保坂議員)NTTはもはやガリバーではないのだから、参入がなされコストの安い技術開発がなされれば、業務委託に過ぎない以上、NTT東西が委託先の変更を行うことはありうることだ。設立予定の地域子会社の概要、経営の見込みについて調査報告してほしい。

総務)新設子会社は、東西で100社程度と聞いているが現時点では詳細把握していない。確認し回答したい。

 

(3)「再雇用」問題について、政府答弁書では、子会社の賃金水準(30~15%減)についてコスト削減は当然とし、更に51歳以上の特定層にのみ犠牲を強制することについても容認する内容だが、監督官庁としての責任についてどのように認識しているのか。

又、そのことによって、社員の労働意欲がなくなることも含め、NTTの公共的なサービスにも影響が出ると思われるが、監督、指導についてどうして行くのか。

 

総務)総務省の見解として、今回の件は、政府としての認可の対象事項ではないので関与は出来ない。「NTT法」改正の際の付帯決議でも「賃金等については関与しない」とされている。

従って、特段の指導について実施することは考えていない。

 

(4)答弁書 5について、退職せずNTTに残る労働者について不利益変更はないということでよいのか。

 

総務)その通り、ないと認識している。

 

(5)「退職・再雇用」という方式は、大規模な組織変更にともなう労働関係の整理の方法としては稚拙なものであり、個別の意思確認は密室下の説得になり、強制にわたることを防止できない。密室での本人意思の確認は、強制になる危険性があり紛争を引き起こす。実際にも「本人同意」の保証が困難な職場での状況があるが、監督官庁として調査、監督を実施すべきではないのか。

 

労厚)労使自治原則があり、明らかな違反行為が認められない限り、調査等を行う考えはない、違反行為があれば関係部門(基準監督所、労基局等)において規則に基づいて対応されるものと理解している。

 

(6)設立のされていない子会社との関係で、全てが「出資及び業務の受委託を通じて極めて緊密な関係にあり」で「再雇用」含む労働条件の問題が担保されるやに答弁しているが、以下の点について明らかにせよ。

 

*子会社は別法人なのか。NTT退職者の子会社不採用は有るのか。

*「退職・再雇用」で「退職」は希望退職なのか、退職勧奨なのか、整理解雇なのか、「再雇用」は別会社である子会社への就職斡旋なのか。

又、「退職」の性格は、自己都合になるのか会社都合なのか。

*「定年後の子会社再雇用制度等」についてNTT東西に存在しなかった新しい制度なのか。

*子会社が別法人とすれば、NTTが設立もされていない子会社の就業規則、給与規則、労働条件を決定し、明示できる根拠は何か。

 

総務)新設の子会社は、別法人である。

子会社でのNTT退職者の(国鉄の様な)不採用はないと認識している。

再雇用制度についてNTT東西にキャリアスタッフ制度があることは承知している。

労厚)即答できないので、確認し別途回答したい。

 

 

いずれにしても、本問題は「企業組織変更に係わる労働関係法制等研究会報告」においても、国会論議においても想定していなかった手法であり(保坂議員の

「ウラのウラをかいた手法」談)、さらに質問主意書を提出するほか、国会での質問を通じて問題点の追求を継続して対応して行くこととした。

 

                                                      文責  大内