労働者保護の派遣法抜本改正を目指そう! 
「臨時国会における労働者派遣法改正案の成立を求める院内集会」で訴え



    写真 10・25労働者派遣法改正案の成立を求める院内集会
           10・25労働者派遣法改正案の成立を求める院内集会


  2008年秋の世界的な不況の中で「派遣切り」が多発し、多くの派遣労働者が職と住居を失い、路上に放り出される事態が生じました。年末からの「派遣村」を通した派遣労働者おかれている実態の可視化のなかで、不安定で低賃金の派遣労働者の状況を改善するためにも労働者派遣法の抜本的改正が必要という機運が盛り上がりました。もう我慢できないという労働者や市民の声は、2009年9月の「政権交代」を実現しました。

 連立政権は、政権合意でもある労働者派遣法の改正に向けて、厚生労働省の労働政策審議会で論議が行われ、昨年12月答申が出され、今年3月、通常国会に労働者派遣法改正法案が提出されました。しかし審議が進まず、参議院選挙のため継続審議をなっていました。

 同法案は、今臨時国会での継続審議をすることになっていますが、補正予算審議が先行するなかで、いまだ審議入りしていません。10月25日、衆議院第一議員会館で今国会での労働者派遣法改正法案の成立を求めるための日本労働弁護団主催の「臨時国会における労働者派遣法改正案の成立を求める院内集会」が220名の結集で開催されました。

 この院内集会に先立ち、国会前では「労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動」が主催する「10.25派遣法抜本改正を求める国会前行動が160名の結集で開催されました。全労協、全労連、全国ユニオン等ナショナルセンターの違いを超えた結集で、大阪や福岡、長野を全国各地から労働組合や労働者が、更に派遣切りと闘っている派遣労働者や韓国金属労組(旧韓国シチズン精密労組)からも参加がありました。挨拶に駆けつけた社民党福島党首は、「提出されている法案は完璧ではないが、規制緩和を規制強化に変えていく第一歩として今国会で成立をめざそう。貧困が進む中、1ミリも変わらないのはおかしい。という声をあげて闘おう!」と呼びかけました。いくつかの労働組合からも発言があり、首都圏青年ユニオンの河添書記長は、「派遣労働者は、雇い止めの不安の中で声が上げられない。そのような声を国会はしっかり聞け!」と訴えました。



    写真 10・25派遣法の抜本改正を国会前行動
           10・25派遣法の抜本改正を国会前行動


 院内集会は、臨時国会での労動者派遣法抜本改正の実現を通して、派遣労働者の保護、将来に向かって更なる規制強化を求めるものとして開催されました。

 この集会開催にあって尽力して頂いた民主党の石毛えい子衆議院議員(民主党の厚生労働部会長)は、「改正案は不充分なところは沢山ある。法律は道具であり使い切っていくことが大切だ。派遣先が違法派遣をすればみなし雇用で正規社員への道を開かせるという改正は、労働者の力が発揮されることになる。」と指摘。「国会は審議入りも難しく、厳しい状況ではあるが成立を図って行きたい。皆さんの闘いで国会議員を押して頂きたい。」と成立に向けた決意を述べました。

 日本労働弁護団水口洋介幹事長は、「改正案は、登録型派遣、製造業への派遣禁止、日雇いの禁止等、派遣労働者の保護を明記したものとなっているが、常用型派遣に有期派遣労働契約も許容している。常用雇用労働についての定義について、厚生労働省の労働派遣事業関連取扱業務要領では、期間や形態の如何を問わず、期間の定めのない雇用としている。一定の期間(3ヶ月、6ヶ月)でも、反復、継続など、更には今後一年雇用されると見込まれるものも、期間の定めのない雇用と同等になると解釈できる。」として、「今国会審議で確認していくことが重要だ。また、一般業務(期間の定めのない業務)に就いた派遣労働者の雇い止めは違法であり、みなし雇用の対象になる。」と労働者保護の改正案の成立に向け、頑張っていこうと呼びかけました。

 全労協中岡事務局長は、「99年の改正以降、ワーキングプアが拡大した。利益第一主義と労働の多様性という欺瞞のなかで生活できる賃金と雇用が破壊されてきた。もうこれ以上我慢できないという声が政権交代を実現させたと考える。今、転換の時、規制緩和から規制強化への声を国会に届けよう。」と挨拶。その他、全労連、全国ユニオン、社民党、共産党から今国会での成立と更なる規制強化に向けた闘いと取り組みが訴えられた。長野地区労組会議、大阪なにわユニオン、連合福岡ユニオン、グットユニオン、JMIU日産支部、新聞労連、派遣ユニオンなど、全国各地から参加して労働組合の報告と闘う決意がありました。それぞれの発言の一致点は、不充分ではあるが規制強化の第一歩として今国会で法改正を実現しようというものでした。


    写真  10・25派遣法の抜本改正を国会前行動
           10・25派遣法の抜本改正を国会前行動


 7月の参議院選挙でみんなの党をはじめ国会内には派遣法改正に反対する勢力が増え、派遣業界もいち早くこの派遣法改正に反対を表明しています。東大社会科学研究会が行った派遣労働者に対するアンケート(失業か派遣かの二者選択のアンケート)で55%が製造業派遣禁止に反対しているとその結果を公表しています。日本生産技能労務協会が仲介してとったアンケートで、派遣労働者が賛成と言えるはずがありません。まったくナンセンスというほかにありません。

  「派遣労働の規制強化は失業をもたらす」とか「国際競争力を損なう」、「自ら派遣という働き方を求めている」「貧困問題は、社会保障制度の問題であり、派遣労働を規制強化しても貧困の解決に繋がらない」等の反対論が述べられています。(反対論への日本労働弁護団の意見は添付資料を参照してください。)まったく根拠がなく、2003年2兆円市場のこの業界は、2010年で8兆円市場になっていることを見ても明らかなように、この利権を手放したくない輩がうごめいているのです。これらの勢力に対抗する闘いを通してしか厳しい局面を打開できません。

 規制緩和から規制強化へ時代の転換の時、今国会で派遣法改正を実現するために全力で闘おう!
 

臨時国会における労働者派遣法改正案成立を求める声明(日本労働弁護団)

派遣法改正反対論に対する意見(日本労働弁護団)