有期労働は、例外的な働かせ方だ!
実行性のある有期労働契約規制法を!


2・8有期労働契約規制法を目指すネットワーク結成される!!


      写真 120208 有期労働契約規制法を目指すネットワーク結成集会


 有期労働契約法制をめぐる論議は、2006年から進められてきたが、2011年12月26日の厚生労働省の労働政策審議会での「建議」(※資料1)が出され、今後、法案化され今国会に提出される状況にある。「建議」は、経営側の言い分を丸呑みにした内容で、有期労働が「例外的な働き方」であるにもかかわらず、それを出来るだけ「活用しよう」とする姿勢が貫かれている。
 有期雇用を固定化して、「労働の劣化」「ワーキングプア」を生み出し続けている現状を打破し、有期労働契約の規制を求めるための法制化に向けて「有期労働契約規制法を目指すネットワーク」の結成が準備されてきた。

  2月8日の東京しごとセンターには140名の労働者が結集し、結成集会が開催された。

 主催者を代表して挨拶に立った全国一般東京東部労組の菅野存委員長は、「有期労働は労働者のための雇用形態ではなく、大企業、大資本のためのものだ。そして第2に労働者同士の分断を図る装置としてある。労政審の「建議」は容認できない。現場の怒りと実態に依拠した法制化を目指そう。」と挨拶。
 講演は、日本労働弁護団常任幹事の小川英郎弁護士。
 小川氏は、2006年から始まった論議は、はじめから「例外的な働き方だから規制しよう」と問題点や弊害の認識というところから出発したのではなく、「良好な雇用形態として出来るだけ活用していこう」という立場であることを指摘し、「建議の前文」で有期労働者の立場から「雇い止めの不安」や「処遇に対する不満」を指摘しているが、「『雇用機会の確保』や『業務量の変動への対応』に一定の役割を果たしている」と雇用調整を容認しており、「整理解雇法理」を潜脱していると批判した。
 法制化は、労働契約法の改正という形で進むだろうとし、「有期労働契約締結への対応」(入口規制)については、「紛争多発」と「雇用機会の減少」の「ふたつの懸念」を持って措置を講じないとしたが、現実に行われている雇用調整(大量派遣切り等)や非正規化による貧困化という日本の有期雇用の実態からみて入口規制は不可欠な前提だとし、例外性を明確にして厳格な規制を設けるべきだと訴えた。
 「長期にわたる反復・継続への対応」については、同一労働者と使用者の間で5年を超えて反復更新された場合は、「労働者の申し出」により期間の定めのない労働契約に転換させる(無期限転換申出権)が形成権として付与するとしており、例外として「クーリング期間も設定されている。「使用可能期間5年」は長すぎるとフランス、韓国(2年)の例を挙げながら「最大3年とし、クーリング期間は、脱法的な行為を招くので撤廃すべきだ。また、雇止め法理の適用の明確化、利用可能期間到達を理由とした雇い止めの防止策として、同一事業場及び同一業務において、新たな別の有期契約労働者を雇用することを禁止するなどの禁止規定を置くべきだ。」と指摘した。さらに上限規制についは、労働者の申し出ではなく「無期みなし」とするべきだと訴えた。

 集会は、有期雇用の現場の労働者の発言に移る。
 郵政労働者ユニオンの深尾さんは、15万人の非正規労働者を抱える郵政会社が非正規労働者に対して「65歳定年制」を導入して、解雇された。定年制は、期間の定めのない雇用で初めて成立するものであり、6ヶ月更新の非正規労働者には適用されないもの、年齢差別であり、雇用対策法違反であるとして東京地裁に提訴している。全国1万3千人の非正規切りで、職場は大混乱。36協定違反や職場で業務が回らない状態になっていることが報告された。
 ヨコハマユニオンの稲葉さんは、東芝の子会社に有期労働者として入社して、19年間繰り返し契約してきたが、事業所の閉鎖で雇い止めされ、就労期間の長さと仕事の内容から正社員の整理解雇として扱うよう裁判を起こした。会社は「単なる契約終了だとして責任はない」としている。許されない。
 秋葉原事件後、派遣労働者は世間に不安を与えたからと、会社は派遣労働者を使わず、請負、有期の労働者を使っている。非正規労働者を使っているという企業の「弱みをつく闘いが必要だ。」と訴えた。

 女性ユニオン東京の鈴木さんは、出版・書籍関連のサービス提供会社に入るが、初め6ヶ月の契約期間で働くが契約切り替え時期になると、契約期間や雇用形態がその都度変わるという。日給、月給制の有期雇用から時間給の契約社員にされたり、パートにされたりと使用者の良いように使われてきたが、女性ユニオンに加入して、団交で契約期間1年を勝ち取ったり、賃上げを勝ち取ったりしている。一人のためにでも闘う労働組合は必要と報告した。
 全国一般東京南部ウェザーニューズ労組のケイン・デイヴィッドソンは、同僚の過労自殺をきっかけに労働組合を作って長時間労働の改善に向けて闘ってきた。「労基署に提出するだけのものだ」と騙されて期間の定めのない労働者だったが「有期労働契約書」に署名させられ、組合結成後、「雇用契約を終了した」として解雇された。地位確認裁判をしていることが報告された。

 特別発言として、全労働省労働組合の森崎さんは、建議について、現場から出発した内容になっていない。人件費抑制に伴う酷い処遇をどう措置していくのか、均等待遇についても触れられていない。雇い止めの不安はいつでもあり、しっかりした「入口規制」が必要だと訴えた。
 神奈川県高教組の金沢さんは、進路指導をしている立場から、高校新卒者の就労実態の厳しさが報告された。ハローワークから来る職業紹介(求人)は、現在はほとんどが非正規労働だけであること。卒業生のなかで20名しか就職が決まらず、70名が未定のまま社会に出て行ったことや生活保護の家庭が多く、貧困が教育の貧困へ連鎖し、職業未定で貧困のスパイラルがあることを指摘した。
 また、教育労働者も非常勤講師、臨時的任用職員、非常勤職員など雇用形態が違うなかで分断されている。現在、新卒で教員になることはなく、何年か非常勤の勤務をしてから試験を受けて採用される教育現場の実態も報告された。

 民主党衆議院議員の工藤仁美さんが登壇、政権与党として苦しい立場にいて皆さんに申し訳ないとして、小宮山厚生労働大臣や長妻党厚生労働部門会議座長に要望や批判を集中させてほしい、そして労働者保護の有期労働契約法制化のために共に闘うと決意を述べた。

 実行性のある有期労働契約規制法の成立を求めて、地方選出の国会議員に働きかけを強めること、リーフレットを作成して学習活動を強めること、宣伝活動を通して全国の団体、労組に連帯を拡げること、集会等を開催して社会的に拡げることを確認して集会を終えた。  

有期労働契約規制法を目指すネットワーク資料

厚生労働省の労働政策審議会での「建議」



      写真 120209 東部けんり春闘結成集会&デモ
      120209 東部けんり春闘結成集会&デモ