ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい労働)の実現を!

 2009年年頭アピール

 雇用破壊は許さない!大企業は社会的責任を果たせ!
 金融危機・経済不況のツケを労働者にまわすな!
 労働者派遣法の抜本的な改正を!



 金融危機・世界的不況を背景に、自動車・電機などの輸出型大手企業を中心に「非正規労働者・外国人労働者切り」が相次ぎ、8万5千人(厚労省調査)の労働者が解雇されセーフティネットからも排除され生命の危険すら危惧されています。
 「派遣切りされたと言われた8万5千人は氷山の一角。既に建設業・サービス業にも余波は及び始めている。不況になったとたんに職を奪い住を奪う、労働者はモノ扱いだ、こんなのは刑事犯罪ではないか! 工場のある地域では派遣労働者が住まいを追い出されて空き家だらけなのにホームレス状態に追い込まれ路上生活者が増えるというこんな世の中はおかしい!」怒りが大きなうねりを全国で起こしています。

  一方トヨタ、キヤノンなど自動車・電気大手16社は、これまでの空前の好景気により33兆円を越す内部留保と株主配当の維持、増配を行い、それらの数パーセントで殆どの雇用確保は可能なのに全く社会的責任を放棄しています。
 非正規を正社員よりも安い賃金で働かせ、巨額の収益を上げてきた製造大手が先行きに不安を抱くや、千人単位でばっさりと切る「使い捨て」が許されるわけがありません。
 現労働者派遣法は、「労働を使い捨て、人間を使い捨てる」法律です。労働は商品ではない。労働は人間が人たるに値する生存を保障するものでなければならなりません。  また、今回の「派遣切り」は、「製造業界における2009年問題」(労働者派遣法により、3年間を超えた場合、再び派遣契約を行う場合は一定期間(3ヶ月間以上)おかなければいけないと定めている。派遣から請負へ変更するか、直接雇用に切り替えるしか対策はない)クリアの便乗解雇でもあり経営者の責任逃れと横暴を許してはなりません。


 新自由主義が全世界で破綻。麻生自公政権の打倒を!


 「自由な市場での自由競争こそが経済成長を促進し、安定を推進する」レーガン元米大統領やサッチャー元英首相が推し進めた新自由主義が全世界で破綻しつつあり融資の絞り込みや規制の強化、投機の縮小、政府の市場介入などから金融の「国有化」さえ叫ばれ始めました。
 日本でも金融資本主義のアメリカンスタンダード・市場原理主義、グローバル企業化、株主優遇と労働者犠牲の「新時代の日本的経営」の結果が今日の不況の元凶です。

 小泉改革の先端でもあったNTT11万リストラも、矛盾が露呈しその根拠を失いつつあり反リストラ闘争の反撃が求められています。
 小泉構造改革後の格差社会と貧困の増加・セーフティネットの崩壊は、デフレ不況懸念を強め、金融資本の「貸し渋り」「貸しはがし」、大企業の中小・零細企業経営への締め付けの中で地域の小規模零細企業には経営危機が広がり、深刻な社会問題に発展しつつあり、今後、企業倒産、失業が増大し更なる労働者への犠牲強要が強まり、生活破壊、地域社会の破壊が叫ばれています。
 派遣では、相次ぐ規制緩和で派遣先の対象が広がり、04年から製造業への解禁されたことが今日の事態を招いたといえる。派遣は雇用の調整弁に使われるとの懸念がまさに現実になった。派遣先を専門業務に限るなどの抜本改正がぜひとも必要です。

 しかし日本経団連の「経営労働政策委員会報告」は、雇用確保を最優先から努力目標に切り下げ、難局を乗り越えるためには「設備投資の高度化のために内部留保の確保」内需拡大の基本である賃上げに対して「株主への配分を積極的に行うことが企業成長、従業員の生活安定になる」とし全く反省が無く「コンプライアンス」も「CSR」も無視である。
 麻生自公政権も「百年に一度の危機」と言いつつも景気対策、雇用対策を具体化しません。
 まさに経団連の居直りと政府の無策が、企業のリストラを加速させ、労働者犠牲の拡大を許しているのです。


 金融危機・不況を理由とする雇い止め・解雇・内定取り消し・リストラ攻撃反対!
 年末年始、日比谷公園に「年越し派遣村」が開村された。



 「不況を理由にクビを切られる。働きたくても働けない、食いたくても食えない。企業はいったい誰のためにあるのか? 政府は誰のためにあるのか? 雇った労働者や職場のある地域のことをまず考えるのが、企業の社会的な使命のはずだ。しかし巨額の内部留保を抱えている企業は、雇用のためにそのお金を使わない。生活保護の後退やセーフティネットの未整備など、政府もお金を使わない。こういう企業、政府、政治を変えていかなければいけない。」(藤崎良三全労協議長)

 「キヤノンの大分では、高校生が駅頭でカンパ集めをし、地元の企業も自治体も、なんとか雇用を増やそうとしている。結局、キヤノンだけが何もしていない。紙切れ一枚で職からも住からも追い出される制度はすぐにやめさせなければならない。新しい労働保護行政をつくりだそう」(保坂展人衆院議員)

 「秋から派遣法抜本改正を求める取り組みをしてきた。そこにさらに反貧困ネットとも合流して、この村の開設に至った。これは労働運動の新しい一歩だ。私たちも労働問題や生活保護に詳しい弁護士のべ20人以上で協力」(日本労働弁護団の棗一郎弁護士)

 「『派遣だから首を切られてあたりまえ』という認識を払拭しなければならない。そもそも派遣解禁の口実は『人と仕事を結ぶ』ことに民活を取り入れること、現実はまったく逆ではないか。切られる事は当たり前ではない! 逆に住を提供する義務が企業にはあるはずだ。派遣企業、派遣先、政府にこれらをつきつけ抜本改正までがんばろう。」(派遣労働ネットワークの中野麻美弁護士)

 ハローワークの窓口が閉まり「派遣切り」解雇が集中する12月31日及び直後の退 寮日に当たる12月31日から1月5日まで、日比谷公園野外音楽堂で労働相談・住居相談・生活相談の窓口を開設し、あわせて住まいを奪われた労働者のための緊急食事対策・住居対策を実施する「年越し派遣村」(全国ユニオン・全労協・全労連・中小民間等の労働組合と反貧困ネット等市民グループによる「派遣村」実行委員会)が開村されました。「年越し派遣村」は、期間中500名もの「派遣切り」労働者が集まり、ついに厚生労働省も対策を打ち出さざるを得なくなり社会的にも大きな反響を呼び、新たな流れを作っています。
 この運動は、労働法制の改悪に反対し、ホワイトカラーエグゼンプションを断念させ労働者派遣法の政府与党の「改革案」に反対し抜本改正を求め、12月4日、日比谷野音で「派遣法の抜本改正をめざす日比谷集会」が開催した全国ユニオン・全労協・全労連、中小民間などナショナルセンターを超えた幅広い結集と、4野党の参加もを作り出した新しい運動の流れの中で取り組まれたものです。


 ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい労働)の実現を!
  労働運動・労働組合がその存在を掛け総力戦で闘わなければならない。



 雇用を保障し生活を守るのは経営と政治の責任だ。「雇用調整」の対象として真っ先に切 られる非正規雇用労働者、外国人労働者を守り「派遣切り」や「内定取り消し」に歯止めをかけねばなりません。
 際限なく非正規雇用を拡大し、ワーキング・プアを生み出してきた規制緩和政策の流れを変えて真の労働者保護が実現する労働者派遣法の抜本的な改正を成し遂げよう。 生きる権利の侵害を許さず、生活できる賃金とディーセントワーク(働きがいのある人間らしい労働)の実現を闘い取ろう。

 今日の情勢は、全国で起こっている事態に、労働運動が、労働組合がその存在を掛けて 闘いの表に立ち総力戦で闘わなければならない。  私たちは、労働者派遣法の抜本改正を目指す12.4全国集会、派遣村と続く運動に合流しながら更に戦線を拡大するために闘うことを決意する。

 2009年は、年頭から闘いの年になる。働く者の勝利の年にしよう。


                                電通労組執行委員長 大内忠雄



    写真 090102 日比谷年越し派遣村

  090102 日比谷年越し派遣村           



    写真 081019 反貧困集会

  081019 反貧困集会