希望を持てる復興と生活再建に取り組もう!

12春闘を生活再建の復興春闘として闘おう!

 2012年 年頭アピール

 新年おめでとうございます。

 昨年3月11日の東日本大震災、福島原発事故、9月の台風被害の犠牲になられた方々と未だに行方不明、避難生活を強いられている方々に哀悼とお見舞いを申し上げます。

 私たちは被災地の組合ですが、幸いなことに組合員の犠牲はありませんでした。 しかし、家屋損壊で移転や、福島県の緊急時避難準備区域をはじめ日常的被ばくの環境の中に生活を強いられる組合員・家族も抱えながら、住民の地域コミュニティの中で救援活動やボランティア活動を全国からの人・物・心の温かい支援を受けながら行ってきました。
 NTTに対しては、構造改革の弊害で災害対策が混乱する中で復旧作業を通じ、救援最優先、内部留保の解除や、過労や被ばくの労働者の健康等の権利尊守を要求してきました。
 改めて電通労組に対する皆さんから頂いた激励とご支援に心から感謝申し上げます。

 3月11日、大地震と津波が東北から関東まで広範囲な太平洋沿岸部を壊滅させました。犠牲者と行方不明者は2万人を数え、引き続く福島第一原発事故は、福島を中心に東日本全体におよぶ放射性物質汚染を生じさせました。
 震災から10ヶ月を経ても尚、33万人が仮設住宅や全国に分散したまま避難生活を送っています。政治の責任と電力事業者の責任が厳しく問われなければなりません。

 大震災・原発事故は、被災地の社会インフラと生活基盤を根こそぎ奪いました。
 公的支援をもって被災者救済を復旧復興の第一義とすべき当然の事に対し、対米追従の民主党政権は自公に擦り寄り、復興基本法、第三次補正予算をようやく成立させましたが、その基本姿勢は、人命が最優先、被災地住民の地域コミュニティを基本とした復旧、復興がないがしろにされ、消費税増税やTPP参加、企業活動を重視した特区構想など新自由主義的復興なのです。果ては公務員削減、分限免職まで言い出しています。
 「復興特需」果ては「除染・廃炉ビジネス」として国内外から大企業らがこぞって復興マネーに群がり始めています。宮城県の村井知事が進める「宮城県方式復興策」(高台移転・職住分離、建設制限、復興増税、水産業特区、原発不問等)はその典型です。

  宮城県の復興議論は、「復旧にとどまらない抜本的な再構築」「現代社会の課題を解決する先進的な地域づくり」などを掲げて委員の人選に際し、地元の学者2名を除き野村総研、三菱総研、日本総研ら中央のシンクタンクを軸に構成しました。
 住居、医療・福祉・教育、水産業と農業、雇用など、最優先されるべき被災地の生活再建が進んでいませんし「汚染稲わらの措置」や「震災関連死の審査」などは一向に進まず、湾岸改修や被災学校の復旧、鉄道再建等の交通インフラ、被災家屋の修理など大きな課題に被災地は直面しつづけています。
 創造的復興の言葉を御旗にして、千載一隅のチャンスとばかり、『行政の論理』や『大資本の論理』がうごめく中で、被災者が望むのは夢の未来都市の建設ではなく、いち早い日常の回復です。『住民の論理』での復興なのです。
 大震災を利用して社会を上から変えようとする「惨事便乗型復興」に対し水産業はもとより多くの被災者、中小企業、県政与党の自民党の中からも批判が巻き起こっています。「住民一人ひとりが主体」となる復旧・復興を進めなければなりません。

 「3・11で社会が変わった」と言われるように、55年体制の崩壊、失われた20年と言われてきた社会矛盾が大震災・原発事故で劇的に顕在化された中で、電力総連や連合など労働組合の存在自体が問われました。
 大地震、巨大津波、人災として原発事故の複合災害とどう向き合い、被災地、被災者、原発避難者と寄り添い、経済復興ではなく人間復興を目指し「脱原発社会実現」に向けて労働者が、労働組合が、何を、誰となすべきかが問われているのです。

 リーマンショックで明確になった新自由主義の破綻は、アメリカの膨大な公的資金注入にも関わらず、数年で再現され、それはEU危機として全世界に拡がり、各国政府は人民への犠牲で乗り切ろうと必死です。
 債務危機にあるギリシャでは、財政緊縮策をめぐって48時間のゼネストが闘われました。 公務労働者を中心とする闘いは、イタリア、フランスと数万人規模でEUに拡大しました。
 規制緩和、民営化、社会保障の削減等を政府に求め、企業が「自由」を与えた新自由主義政策は、強欲なマネー資本主義として貧困と格差を生み続けてきました。
 「1%の金持ち、99%は貧乏」「富裕層に課税を!貧乏人に食べ物を!」を合言葉に始まったウォール街占拠運動は、全米に拡大し、2011年10月15日を「国際アクションデー」とし、日本も含め全世界で若者や差別、排除、格差に怒る人々によって一斉に闘われました。
 日本でも原発事故の真実を隠蔽し収束を急ぐ原発維持勢力と野田政権に対し「子どもを守れ」と母親らの闘いが、9・19反原発東京集会に6万人の結集を生み出しました。
 こうした新自由主義、強欲なマネー資本主義に反対する運動は全世界に拡大していくでしょうし私たちは、この中で新しい世界の展望を見ていかなければなりません。

 私たち電通労組は、昨年7月開催の定期全国大会で「われわれは、3.11を転機とした歴史的な転換期に立っている。政治も経済も文化もわれわれ自身の生き方も変わらなければならないことをこの大震災は問うている。生き残ったわれわれが、新しい道を開かなければならない。絶望の淵にたつ被災者に寄り添い、希望を持てる復興と生活再建に全力で取り組まなければならない。それが労働組合の使命だ。われわれは、被災地の復興と『脱原発社会の実現』に向けて全力で闘う。」と決議しました。

 被災3県では、11万人が職を求めており、瓦礫撤去などの復旧業務以外の雇用改善が強く求められています。復興の名の誘致企業は非正規雇用が中心で、沿岸部の中小企業の再建も困難を極め、復旧された企業も殆どは12万円台「最低賃金レベル」賃金で、生活再建は困難で、雇用保険打ち切りの中で早急に対策が求められています。

 12春闘は、生活再建の復興春闘として文字通り生存権をかけた闘いを「賃上げ否定、定昇凍結、賃上げ要求は理解できない」とする日本経団連と対決し、大幅賃上げ、最低賃金の大幅引き上げ、派遣法の抜本改正を軸に、NTTが言う「復旧は終わった。今後はコスト重視」と対決し職場からも闘います。共に闘いましょう。


                            電気通信産業労働組合執行委員長 大内忠雄



    写真 111015 全統一光輪モータース闘争勝利解決報告集会

  111015 全統一光輪モータース闘争勝利解決報告集会           




    写真 111217 全労協12春闘討論集会

  111217 全労協12春闘討論集会