2014年 年頭アピール

「専守防衛」から「積極的平和主義」へ戦後社会を転換する安倍政権の暴走を許すな!

 一昨年暮れの衆院選、そして昨年7月の参院選で「巨大与党」となった安倍自公政権は、 改憲を視野に戦争する国づくりへ向かって、政権の政策に反対するものは全て排撃しようとする反動性をあらわにしました。

 フリーハンドで法案を提出、必要な審議もせず強行採決と言う強引な国会運営は、民主主義の否定、立憲主義・基本的人権・生存権にまで関わる全面的なものです。

 治安維持法にも匹敵する「特定秘密保護法」をめぐり、法曹界、マスコミ、文化人など各界はもとより国際的な非難と、国民の7割が反対意思を持つ中、全国に拡大した反対運動・デモを「テロと同列」と言い放つ(石破幹事長)のは、彼らの本質なのです。

    写真 131206 特定秘密保護法反対集会

  131206 特定秘密保護法反対集会     

 同時に「国家安全保障会議(日本版NSC)」を成立させ、中国・朝鮮半島への「けん制」を理由に、閣議決定した「国家安全保障戦略」「新防衛大綱」「中期防衛力整備計画」は、憲法によって抑制され「専守防衛」に留められて来た基本姿勢を転換し、集団的自衛権行使、自衛隊の海外派兵へ向け、離島防衛の「水陸機動団」創設、オスプレイ配備、南スーダンへの弾薬提供など、武器輸出3原則の見直しも、なし崩し的に行おうとしています。  安倍首相の言う「積極的平和主義」とは、「外交努力と対話を通じて信頼関係の構築による抑止力を」の従来の平和主義から転換し「我が国と郷土を愛する心を養う」を明文化し、靖国参拝を強行した様に、ナショナリズムをあおり力による抑止力の強化へ、軍備増強へ走る危険な道です。

 しかし、この安倍政権の対米追随、中国・韓国敵視路線は、辺野古移転の為の埋め立て承認強要に対する沖縄県民からの 猛反発を招き、更に靖国参拝では、中国・韓国はもとより米国、国連、EUからも批判される様に、アジアから 孤立する路線なのです。

「生活保護法改正、社会保障法制の改正」の真の目論見は  

 臨時国会では「生活保護法改正、社会保障法制の改正」も成立させました。

 財政負担の抑制が目的で、生活保護費の抑制のために、不正受給の厳罰化と、「扶養義務者の扶養は保護に優先」という条文は、生活保護申請時に福祉事務所が「扶養できない理由の報告」を親族に求められる事になります。

 現在でも申請を困難にしている行政対応の中で、申請をさせない為の根拠になります。
 生活保護は、憲法に保障された生存権・最後の命綱で、条件を厳しくする様な運用は「社会全体で支え合う公的扶助」との本来の目的から外れ、血縁関係による一般的な扶養義務を適用するのは誤りです。

 社会保障法でも2015年度から介護保険の自己負担割合の引き上げ。介護認定「要支援1・2」の訪問・通所サービスを市町村に移行し「特養施設」への入所者制限(要介護3以上)など地域環境が整わないのに、高齢者を放り出す事になります。

安倍政権の雇用破壊に反対・労働法制の規制緩和反対!  

 そして「世界で一番、企業が活動しやすい国へ」として、労働者保護の基本を転換させる安倍政権の雇用破壊政策の具体化の動きが強まっています。

 政府・厚生労働省(労働政策審議会)が検討している「雇用改革」は、労働者派遣の事実上の自由化や労働時間(残業)規制の骨抜き、低賃金で解雇しやすい「限定正社員」のルール化、さらには雇用特区(解雇特区や残業代ゼロ特区)など、雇用破壊、賃金破壊を更に進め、労働者や地域社会を犠牲にするものです。

 労働者派遣法の全面改悪をめぐる労働政策審議会労働需給調整部会は年内に結論を得て、来年通常国会へ法案提出のために急ピッチで審議を進めています。

 厚生労働省は、12月に過酷な働かせ方で労働者を使い捨てる「ブラック企業」対策として離職率の高さ・過去の違反歴・労働者からの情報提供などでリストアップした事業所全国5千の事業所を監督した結果、82%に法令違反が有り是正勧告を行ったと発表しました。

 しかし現実的には、監督対象事業所が430万なのに監督官は全国で3千人しか居らず、2012年に13万事業所に立ち入り調査、9万事業所に是正勧告が精一杯としており、ブラック企業を根絶し過労死・過労自殺をなくすため、サービス残業の一掃と時間外労働の上限規制実現、監督官の大幅増と権限強化が緊急の課題と言われています。

 全労協は、全労連や過労死裁判を闘う団体等とともに「安倍政権の雇用破壊に反対する共同アクション」を立ち上げ厚生労働省への抗議や国会行動を展開してきました。

 12月13日には、日本弁護士連合会の呼びかけで「労働法制の規制緩和と貧困問題を考える市民大集会」東京日比谷に2000人が結集し、全労協・全労連・連合など全ての労働団体も集まり労働規制の緩和反対を訴えました。

14春闘抑制の為の欺瞞的な賃上げ「合意文書」  

 14春闘を前に、政府と、経済界、労働界の代表が12月20日の政労使会議で企業収益改善を賃金上昇につなげていくとの文書をまとめました。  

 政府が賃上げを要請するのは、「消費税導入による景気の落ち込みを防ぐ」のと、来年4月に控えた「消費税の8%への引き上げの政権への打撃を抑える」為です。

 文書合意で、政府と経団連、大企業トップは賃上げムードを宣伝していますが、春闘の経営側指針、「経労委報告」の原案は「賃上げとベアは同義語ではない」「賃上げは賃金、手当、賞与など年収ベースで見た報酬全体の引き上げととらえるべき」、年齢や勤続年数で自動的に給与が上がる定期昇給に「仕事の役割や貢献度に応じて昇給を決める仕組みを」と見直しを提言し、企業の内部留保も「将来の成長に向けた投資」と賃上げの原資にはならないとしており、又、「合意文書」は、広範な労働者の要求を、組織率17%の正社員中心の大企業の労働組合の要求に限定させ、春闘を収束させる思惑も感じられます。

 労働基準法は、総則の第一条に「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」とし第2条で「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。」と定めています。

 労働条件の最たるものでもある賃金は、労働者の生活保障が第一で、使用者の都合(好不況・支払意思など)で決められる物ではないのです。

 実体経済の景気回復には、非正規の雇用環境改善と全国一律最低賃金、雇用保険などセーフティーネットの充実、労働政策から社会保障までトータルな政策こそ必要なのです。

 「労働法制規制の緩和」や、総務省が地方公務員の給与カットを要請し、給与削減の自治体優遇策として地方交付税を上乗せする等、公務員給与に連動する地方の中小企業労働者の賃金抑制策等を直ちにやめる事こそ必要なのです。

構造改革10年の失敗解消の為だけの組織再編を急ぐNTT東日本  

 政府、経済界に忠実に、しかも無節操に追従しているのがNTTです。

 NTT東日本は、10年前、大幅な人員整理・人件費抑制を目的に「構造改革」として50歳退職・再雇用制度を強制しました。

 労働条件の切り下げと引き換えに再雇用社員はその県域を越えて配転はされないとして、各県に、退職・再雇用の受け入れ子会社(総合会社)を設立しましたが、業務の運営上は従来と変わりなく親子が同一会社のままでした。

 しかし、業務の委託、外注化が進む中で、アンバランスな社員配置・退職者の後補充雇用が無い為の人員の減耗が大きな矛盾として業務運営を困難にさせています。
 会社はその矛盾を解消するため総合会社をブロック化し、吸収合併し業務の集約と要員の大幅流動で矛盾を解消しようとしています。

 労働条件を低く抑えるためだけの総合会社内では労働者の雇用契約が多数存在し、同じ労働を同じ職場で労働条件が異なる労働者が行うと言う大きな格差が生じ、同時にグループ会社間で業務が混同し、成果主義も相まって収賄や強要のモラル破壊が出ています。

 NTT東日本と総合会社体制を解消して一社化し、労働条件の改善を行う事でしか、差別的な労働条件の在り方を解消出来ないのです。

安倍政権を労働者・市民の手で倒そう!  

 東日本大震災から3年を迎えます。脱原発、復興が進まない一方、被災者らの疲弊に付け込み、政府・大企業らの「震災復興便乗主義」と「格差」が拡がっています。震災に立ち向かうのは、そこに住む労働者市民たちであって彼らではありません。

 脱原発・秘密保護法反対の国会包囲デモなど、3年間国政選挙がなされない状況下で、市民・労働者の闘いは確実に全国に拡がり、「直接行動」がキーワードになっています。

    写真 131227 辺野古基地は作らせない沖縄県庁前集会

  131227 辺野古基地は作らせない沖縄県庁前集会   

    原発の無い社会を目指し、安心して働き生活できる社会の為に、「脱原発を基軸とした東日本大震災からの復旧・復興」「原発再稼動反対。全原発の廃炉を」を求めます。

 労働法制改悪や集団的自衛権などの反動攻撃と対決し、沖縄、福島そして被災地の切捨てを許さず、安倍政権を労働者・市民の手で倒すために14春闘をともに闘いましょう。


                      電気通信産業労働組合執行委員長 大内忠雄                 


    写真 131224 前田建設申し入れ行動

  131224 前田建設申し入れ行動