改正派遣労働者法案の強行採決を糾弾する!

 企業に都合の良い改正で労働者に一方的に不利益を強い、雇用と生活を脅かす大改悪である!


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           取り戻そう★生活時間と安定雇用〜許すな!雇用破壊〜5・14ACTTION


 「二度廃案となった改正(改悪)労働者派遣法案が9月11日、衆議院本会議で自公政府与党の強行採決で可決された。法案は、民主党が提案した「派遣労働の基本原則=例外的、一時的労働、常用代替えの防止の再確認」「正社員化へ向けた企業側の講ずる措置の具体化と国の支援策」等39項目にわたる付帯決議も盛り込まれました。だがしかし、この法案は「一般の業種と専門26業務の区分を無くし、受入上限期間制限を事実上撤廃し、人を代えれば派遣労働者をずっと使い続けることができるという企業側にとってはどこまでも都合が良い改正」であり、一方、働き手側=派遣労働者から見れば、3年毎に職を失う危機に見舞われることになり、雇用と生活が脅かされる大改悪であることに変わりはありません。

 今回、法案成立を急いだ背景には、「安保関連法案審議」への影響を恐れた事もあるが、しかし10月1日から施行される「派遣先の労働契約見なし制度」適用を骨抜きにしようとする意図もあったことは間違いない。労働契約見なし制度とは2012年の法改正で導入され、@派遣禁止業務の派遣 A無許可・無届の事業主からの労働者派遣受入 B派遣可能期間を超えての労働者派遣の受入 C脱法目的で行われた偽装請負行為のいずれかがあった場合、その行為がなされた時点から、違法行為が終了して時点からの1年の間、派遣先が当該派遣労働者に対し、直接雇用の労働契約を申し込んだととみなす制度であり、企業側にとっては極めて不利益な制度、法案成立を急いだのは、これを無効とする企業救済措置を目的としたことは明らかである。

 私達は充分な審議も尽くさず、説明も無いまま、不純な動機、悪意の政治的意図をもって強行採決した安倍首相と自公政府与党の暴挙に厳重に抗議するとともに直ちに新制度の撤回を強く求めるものである。

 3年で雇止めとなるルールは止めろ!
 国際的流れにも逆行、不安定雇用の増大を許すな!
 

 法案について、安倍首相は、9月3日の参議院厚生労働委員会で「今回の改正案は、正社員を希望する方にはその道を開き、派遣を選択する方には待遇の改善をはかるためのものだ」と答弁した。政府側のこうした説明について派遣労働者の女性は「これを派遣労働者のためだと言い張るのは、恩着せがましく、動機が不純で、みっともない」「誠意ある審議をしてほしいい」と怒りをあらわにした。

 また、15年間同じ派遣先でOA機器操作の専門26業務で働いてきた女性派遣労働者は、改正案の審議に伴い、派遣先から3年後の雇止め通告をされたことを明らかにし「改正案でまじめに働いてきた人生を踏みにじられた思い、悔しい、本当に悔しいです」と叫び、「これは合法首切り法案だ」と強調、「3年で雇止めになるようなルールはやめてほしい」「専門26業務の区分を無くして正社員と同じ仕事をさせるなら、正社員と同じ待遇にしてもらいたい。同一価値労働、同一賃金を法令化してほしいい」と訴えました。

 また、高橋賢司・立正大学准教授は(労働法)は、派遣労働を厳しく規制するドイツやフランスなどの国際的な潮流に逆行する。ドイツは2011年に「派遣は一時的労働に限る」と法律に明記し、無期限派遣は不可能になった。日本は改正で「正社員への道を開く」というが、たとえば派遣先への直接雇用の依頼を派遣会社に義務つける程度では効果は期待できない。派遣労働という不安定な雇用が増える恐れがあると指摘しています。

 法案は日本の雇用社会全体を破壊する悪法だ!
 派遣労働者の権利確立、均等待遇の改善を勝ち取ろう!
 

 日本労働弁護団は去る8月5日、鵜飼良昭会長が、労働者派遣法「改正」案の廃案を求める意見書を出し、「法案は、常用代替防止という法の趣旨を完全に有名無実化する間接雇用促進法であり、派遣労働者の処遇改善や雇用安定のための措置も実効性もないものばかりで、日本の雇用を破壊するもの」として断固この法案に反対するという態度を表明し、法案改悪の問題点について@「派遣期間の制限撤廃」A「雇用安定性の実効性の欠如」B「均等待遇ではなく均衡待遇」C「専門26業務に従事する派遣労働者の雇用不安定」D「労働契約申込みなし制度及び施行日の問題」の5点にわたって批判している。

 同意見書は、「日本の労働者派遣法は1985年に制定されて以来、労働者の保護を無視した規制緩和の一変倒できた結果、派遣労働者は増大し、偽装派遣や、違法派遣も多発し、ワーキングプアやネットカフェ難民の問題も社会化し、2008年のリーマンショックの際の大量の派遣切りにより、その問題が一気に吹き出した。このような社会情勢を受けて不十分ながら派遣労働者の保護を目的とすることを明記した改正派遣法が2012年に成立して、ようやく派遣労働者の規制強化に向けて歩み始めたところでもあったにもかかわらず、本法案は、その時代に逆行し、雇用が不安定で、低処遇のままの派遣労働者を激増させ、日本の雇用、ひいては社会全体を破壊する悪法である」と述べている。

 残念ながら法案は可決、30日より施行されることとなった。しかし、これで私達の運動、闘いが終わったわけではありません。今回の運動、闘いを通じ、「不安定な雇用で声があげられなかったが、現状を変えたい」とする多くの派遣労働者が現状を訴え闘いに起ち上がり、このことが、連合、全労連、全労協等ナショナルセンターを超えた闘い、運動へと発展し、野党国会議員、法曹界等社会各層を巻き込んだ社会的、国民的大運動を作りだすことができました。この力を基礎に、派遣労働を厳しく制限する法令化の実現、派遣労働者の権利確立、均等待遇の改善等々の闘い、運動を通じて新制度を実質的に骨抜きにしていく闘いを創り出して行きましょう。                           




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