労働者に得るものなし!  

 賃金制度の見直しに反対を! 


 

NTT労組は「新たな人事・賃金制度の確立に向けて」を明らかにした。

来年4月の導入にむけて、12月中央委員会で最終決着方針を決定する方向だ。

 私たちは、NTT労使が経営協議会の中で合意してきた「労働条件の大改悪」に対し反対を表明するとともに、全ての働く仲間達がともに闘うことを訴えてきた。今回は、NTT労組が明らかにした「賃金制度見直し問題」について問題点を明らかにしたい。

成果主義の賃金とは何か

NTT労組は「IT時代にそぐわない現行賃金制度」と切り捨て「成果・業績が賃金・昇格に十分機能しないから不公平感がある」、そのことが「チャレンジ意欲を減退させ事業の活力を損ない、結果的に雇用も守れない」だから「高い成果・業績を達成する人に報いることで、意欲を引き出し、職場を活性化し雇用の安定的確保、労働条件の維持・向上につなげる」と言う、見事な三段論法を展開している。

 それでは、成果主義賃金が導入された他企業の労働者はどう感じているのか。

 現行賃金は、年間収入や退職金などが一定程度予測される。そうした中で、労働者は教育や、住宅購入や、将来の生活設計をたててきた。

 

ところが、成果・業績制度の中では基本賃金、手当てで査定される。そうすると年間収入が不安定な状況を生み出し生活設計が極めて不安定になってくる。たとえば、病気などで長期休暇をとったらその年は「成果・業績を達成できない」ことになる。しかし「住宅ローン」などの支払いは待ってはくれない。

 NTT労組は「現行制度の原資を使ってメリハリある制度を創る」と言っている。社内給与の原資が増えないで評価し賃金に差をつけるということは何なのか?

 つまり「コップの中の水を誰がどのくらい飲むか、会社が決定する制度」ということだ。少ないパイを労働者が取り合う構造が、職場が活き活きするなど誰が考えられようか!!

 「私は、責任を持って一生懸命仕事をしている。だから大丈夫」「会社もそんなにひどいことをするわけない」「ま−,普通より上だから」等など。自己評価はそれぞれあるが、すでに導入された企業では半々どころか9割が貧乏(現行より収入が下がる)になると経済評論家は指摘している。実際マスコミ報道の内容はそれを証明している。

 各評価によって昇給幅をかえ、しかも頭打ち額(上限額)を設けることによって原資から飛び出ないようにしている。

相対評価とは何なのか

A,B,Cの評価は相対評価だと言う。

考えてみよう。100点満点の人が全てだとしたら全員がA評価を得るのだろうか。そうではなく、それぞれの評価は絶対数の割合がきまっている。当然同じ仕事をしてもそれぞれの%テージに人は振り向けられる。つまり、客観的評価は言葉の上になり、主観的評価になる。いくら「公平性」を言っても、それはそれぞれの労働者を納得させるものではない。

 NTT労組は言う。「経験の積み重ねによって労働能力が高くなることを前提としてきた現行賃金体系だ。IT時代には過去の蓄積や経験が成績に結びつきにくい」と。ちょっと待て!そのことが本当にそうならば「人財」育成を行ってきた経営者にこそ責任があり、現場で働いてきた労働者に責任を転嫁されるものではない。

 経営の立場にたってものを考えた結果が労働者が置かれてきた現状を何ら認識できない労働組合幹部の姿を浮き彫りにしている。評価制度にいくら客観性を持とうとしても無理な話と言うことをNTT労組幹部は最初から知っている。

 だからこそ、あえて「評価の納得性の向上」と討議資料に盛り込んだ。つまり、これまでの年末手当ての評価は労働者にとって納得できないものだったと言う事になる。「評価者」と「非評価者」にとって分かりやすい「基準」。「何をすれば高い成果・業績が得られるか、評価者と非評価者のコミニュケーションの充実。そのための研修」という。

 評価する方も、評価される方もなにがなんだかわからないけれども、「業績・評価制度に移行する」と言うことだ。

 今回の制度は「結果」に対する評価であり過程は問題でないこと。「新たな評価基準の設定」と語っているが行き着くところは「会社の業績にいかに貢献したか」となる。特別手当制度の見直しが内部検討されているが、その内容たるや「儲かる企業、儲からない企業でおのずと支給率は違う」というものである。「業務の必要性」で子会社に出向させられた労働者に何の罪があると言うのだ。

労働組合の選択を! 

賃金制度の見直し問題は労働者の生活を破壊する。会社に取ってはこの上ない提案である。いくら儲けても「制度の枠内」で賃金を支払えばすむことであり、労働力を安く買い叩きながら働かせることができる。労使一体の体制とはこのことでしかない。企業リストラが横行し、企業の都合の言いように労働者の整理解雇がまかり通っている社会状況の中で「本当にこれでいいのか」と思う。

 「規制緩和」社会がもたらす害悪が社会を覆う前に「競争社会に意義あり」の声を挙げようではないか。黙っていれば攻撃が無くなるなどということはない。

 労働組合が労働者の利益の阻害物になるとしたら、そのような労働組合は労働者にとって不必要な存在でしかない。

 私たちは、すべてのNTTで働く仲間が「見直し反対」の声を挙げること。

そして、労働者のためにこそ存在しようとする労働組合をおおきく創りだすために、電通労組全国協議会に加入しようと呼びかける・(次号:経営のカラクリ)