ユニバーサル・サービス基金は、
国と通信事業者が負担すべきである!
受益者負担に反対する!


「ユニバーサル・サービス料のご負担について」という案内が皆さんの手元に届いていると思います。その案内のなかで、「ユニバーサル・サービス制度は、電気通信事業者が全体で応分に負担するもの」としておきながら、電話利用者に2007年2月から負担してもらうという内容になっています。固定電話(加入電話)から携帯電話やIP電話へののり換え、公衆電話の撤去等で固定電話の収入減は明らかで、ますます維持費は高騰していきます。それに伴いユニバーサル・サービス料も半年ごとに徴収料金が改定されることを電気通信事業者は見積もっています。その額は、倍々と上がっていくのが見て取れます。

【基金からNTT東西への補填額見込み】
2005年度:110〜170億円 →今回の補填額(152億円)
2006年度:195〜275億円
2007年度:280〜380億円

 <ユニバーサル・サービスの維持は、国の責任である。>

ユニバサーサル・サービスは、NTTが電気通信事業法、NTT法によって「全国あまねく地域に対して、国民生活に不可欠な加入電話、第一種公衆電話(市街地は概ね500m四方に一台、それ以外は1km四方に一台)、緊急通報を提供する義務を負う」というものです。
2002年まで固定電話はほぼ独占状態であったため、このユニバーサル・サービスは、NTT東西が黒字地域分で赤字地域分を補填する「内部相互補助」で提供してきましたが、「競争とユニバーサル・サービスの一体化」の論議のもと2002年に「ユニバーサル・サービス基金制度」が設立されました。
この制度は、NTT東西が「内部相互補助」しても赤字になった場合、外部から補填(電気通信事業者が応分の負担)するとしたので、二重払いになるNTT東西は合意せず発動されることはありませんでした。
直収電話サービスの開始によって競争状態が拡がったとし、2004年末、制度が改正され、「一回線あたりの費用が上位4.9%の地域における固定電話、緊急通報及びすべての地域の第一種公衆電話に対し補填を行う」ことになりました。
2006年からこの制度が発動され、補填額153億円(うち基金の運用経費1億円)の拠出を固定電話、携帯電話、IP電話等、電話番号を用いてサービスを提供している事業者が割り当てられている電話番号数に応じて行うことになったのです。
「番号数は、外形的な把握が容易であり、検証可能性、簡素性に優れているとともに、競争中立性も損なわれない可能性が高いことが評価された。」として「受益者負担」でこの制度を維持していくことを決め、2007年1月から電話料金に電話収支全体で固定、携帯、IPそれぞれ1番号あたり7円/月を上乗せとして徴収することにしたものです。

<受益者負担は許せない!>

生活のなかでの身近な通信手段である電話はユニバーサル・サービスの最たるものであり、ユニバーサル・サービス経費は電話収支のなかで行われるべきであり、膨大な利益を上げている通信事業者とユニバーサル・サービスを維持するために監視、監督する国が責任を負うべきです。安易に受益者が負担する方法に私たちは反対します。
消費者団体や利用者は、受益者負担を言う前に、不透明な「NTT以外の電話会社がNTTに支払う接続料の問題」「基本料金の問題」「施設設置負担金の問題」など利用者、消費者に説明する義務があると、この受益者負担に「異議あり」の声を上げています。
グローバル経済の拡大、市場原理主義のもと利益の最大化を図るために1985年電電公社が民営化され、社会的共有財産であった通信ネットワークが私物化され儲けの道具にされました。それ以降、新規の通信事業者の参入を通して利益最優先のなか、月平均利用額が4000円未満の公衆電話は撤去され、通信事業は公共性が反古にされ続けています。
昨年10月、会計検査院はNTTに対し、第一種公衆電話が「24時間不特定多数の者が利用できる場所への設置が不充分だ」として、「改善意見」を出しています。
規制緩和、競争の導入と公共サービスが商品化され、公共サービスの市場化テストの名のもと儲けの道具になっています。
公共サービスは、生活の安心、安全の基本であり、国、地方自治体がそれを守る責任があります。その意味でも、このユニバーサル基金の受益者負担は許せません。
ユニバーサル・サービス基金は、国と通信事業者が負担すべきです。